SESエンジニアは案件が決まらないとクビ?そんなときにすべきこと

SESエンジニアはシステム開発における専門的な役割を果たしますが、案件が決まらない期間があると大きなストレスになることがあります。
しかし、案件がない時間を有効に活用する方法がいくつかあります。
このブログでは、SESエンジニアが案件が決まらないときに直面する可能性のある問題、その期間の給料、そしてそのような状況に対処するための行動について説明します。

目次

案件が決まらないエンジニアとは

SESの職場で、「どうして案件が見つからないのか原因がわからない」「案件が見つからない理由を理解したい」と思っているエンジニアがいることでしょう。案件がない状態で苦労しているSESエンジニアも多いはずです。

そこで、SES企業での実際の経験をもとに、案件を見つけるのが難しいエンジニアの特性について解説します。

新卒、または経験が浅い

言うまでもありませんが、ITの経験が少ない新進のエンジニアや新卒のSEは、SESでのプロジェクトへの参加が困難となります。

SESエンジニアと契約を締結するクライアント企業から見れば、ITの経験が浅い新進のエンジニアは、プロジェクトの進行において負担となる要素でしかありません。経験が少ないエンジニアは、プロジェクトの効率を下げるリスクがあるため、現場で敬遠され、SESでのプロジェクトへの参加が難しくなります。

新進のエンジニアは経験が浅いため、基本的なことから指導する必要があり、それは現場の負担を増加させます。

プログラミングの基本から、仕事の進め方、パソコンの基本的な操作方法まで、広範囲にわたる初歩的な指導が必要となります。これは他のエンジニアの時間を大いに消費します。

プロジェクトの進行が遅れるリスクが高まる一方で、そのリスクを引き受けるメリットがないため、IT経験が浅い新進のエンジニアがプロジェクトに参加する機会はなかなか得られないでしょう。

長期間にわたって新しい案件を待っている人

長い間新しい案件を待っているエンジニアは、SESで案件を見つけるのが難しいでしょう。

SESでの案件待機が長引くと、履歴書に空白期間が生まれ、これがクライアントによっては理由を問われることがあります。履歴書上での経歴にブランクがあるエンジニアは、クライアントに疑問を抱かれ、不安視される可能性があります。

たとえば、SESの面接で案件待機が長いことが明らかになると、「能力が不足しているのではないか?」「性格上の問題があるのではないか?」といった疑念をクライアントが抱くことがあります。

案件待機が長期化すると、履歴書に傷がつき、採用されにくくなります。これは、クライアントにとって、長期待機のエンジニアはリスク要因としか映らないからです。

現在も仕事を待っている期間が3ヶ月、半年、1年と長くなっているエンジニアは、SESでの案件獲得が困難になる可能性があるため、注意が必要です。

自身の強みをアピールするための資格がない人

エンジニア自身が特定の強みをアピールするための資格がない場合、SESの案件を獲得するのは困難になる可能性があります。

ITスキルの強みを持っていないと、案件を獲得するのは難しいでしょう。ITスキルや資格がエンジニアの強みとなり、SES営業がエンジニアをクライアントに提案しやすくなります。

特に、得意とするプログラミング言語や、自身のスキルを証明できるIT資格がないと、SESの案件を得るのは一層難しくなります。クライアントは「このエンジニアは何ができるのか?」という情報が不足していると、プロジェクトに適しているかどうかの判断が難しくなります。

40代から50代でSES業界で活躍しているエンジニア

年齢が上がるにつれて、特定のITスキルを持っていないエンジニアは、新たな案件を得るのが難しくなる傾向があります。特に、独自のスキルセットを持たないエンジニアは、新しいプロジェクトを見つけるのが一層困難になる可能性があります。

40代から50代の経験豊富なエンジニアであっても、リーダーシップの役割を果たしていない場合や、クライアント先での常駐や派遣の形態で働いている場合、クライアントからはリスクが高いと見なされることがあります。コミュニケーションスキルに問題があるか、一般的な業務遂行能力に欠けるエンジニアは、プロジェクトにおけるリスクと見なされる可能性があります。

年齢が上がるにつれて、エンジニアは自身のリスク要素が高まると認識し、このリスクを軽減するためには特定のスキルを身につける必要があります。スキルを持つエンジニアは、新たなプロジェクトを獲得する機会が増えます。しかし、特定のスキルを持たないエンジニアは、新たな案件を得るのが難しくなる可能性があります。

所属会社の営業力不足

SES企業の案件獲得能力が低いと、待機期間が長引く原因の一つになります。

営業力が不十分な場合、取引先やプロジェクトの選択肢が限られ、結果として待機期間が必要となるエンジニアが増えます。

さらに、営業力が乏しい企業は、低価格のプロジェクトや労働環境が良くない企業からのプロジェクトを受けることが多く、これがSESエンジニアの苦労の一因となります。

待機期間に所属企業に確認しないといけない時

SESにおける待機期間とは、次のプロジェクトがまだ決まっていない、つまり新たな任務を待っている状態を指します。

待機期間が長引くと、自分がこの会社で本当に続けていくべきなのか疑問を抱くこともあるでしょう。

ここでは、SESの待機期間中にチェックすべきポイントを詳しく説明します。

待機期間が1か月以上

もし待機期間が1か月を超えている場合、注意が必要です。

通常、SESの待機期間は最長でも1か月程度が一般的です。

もし待機期間が長引いているなら、それは会社の営業力が弱い可能性を示しています。それは、案件の取得に時間がかかっているということを意味します。

営業力が弱い会社では、低単価の案件が提案されることがあったり、自分が希望する仕事とは違う案件が提案される可能性があります。これには注意が必要です。

待機期間が長すぎるようであれば、会社に問い合わせをするか、あるいは転職を検討することをお勧めします。

他にも待機期間の人が多い

待機状態にある社員が一定数以上存在する場合も注意が必要です。

待機している社員が1、2人程度であれば、それは契約の終了等、一時的な要因である可能性があります。しかしながら、一定数の社員が常に待機状態にある場合、それは会社自体が原因である可能性を示しています。

例えば、会社の営業力が不足しており、新たな案件を獲得できない状況であるかもしれません。または、提供しているサービスの品質が低く、クライアントから案件の依頼がないという状況も考えられます。さらに、エンジニアのスキルアップを支える環境が整っておらず、必要なスキルが不足しているために新たな案件に参加できないという状況もあります。

稀に、大量の社員を採用し、案件獲得が難しい社員には自主退職を迫るようなブラック企業も存在します。そのような企業には特別な警戒が必要です。

社内のSNSやウェブサイト、営業担当者を通じて、他の待機状態にある社員の有無やプロジェクトの情報等を察知することが重要です。

サポートがない

待機期間中に営業担当者や上司から十分なサポートが受けられない場合は、警戒が必要です。
SES面談が適切にスケジュールされず、具体的な作業指示や学習ガイダンスが少ない状況は、自分が見捨てられているように感じるかもしれません。
このような状況では、自身のキャリアの発展が難しい可能性があります。そのため、転職を検討することを推奨します。

待機期間中に受け取る給料が減る

待機期間中に給与が減額される企業に対しては警戒が必要です。

法令上、社員が休業している際には給与の60%以上を支払うことが義務付けられています。
このため、給与が減額されることだけで企業を評価することはできません。
しかし、待機期間中でも100%の給与を支払っている企業も多いことを考えると、長期間にわたる待機期間は、企業の営業力に問題があるなど、他の要素が関与している可能性を念頭に置くべきです。

SESエンジニアが直面する可能性のある問題

SESエンジニアが案件が決まらないと、以下のような問題でSESエンジニアのキャリアに大きな影響を与える可能性があります。

実務経験が積めない

SES企業でプロジェクトが決まらないと、待機期間が延び、結果的に実際の職務経験を獲得する機会が減ってしまいます。

SESでのプロジェクトが確定しない場合、ほとんどのエンジニアは会社内で待機することになります。この待機期間中、エンジニアは通常、プログラミングのビデオ教材を視聴したり、IT資格の勉強をしたりすることが期待されます。

しかし、これらの活動は基本的に自己学習であり、実際の仕事をしているわけではないため、待機期間中にできることは限られています。その結果、実務経験が少なく、職務経歴書に具体的な業務内容を記載できないエンジニアとなってしまう可能性があります。

また、待機期間が長引くと、エンジニアが学習するITスキルは、短期間で習得可能なものが多くなる傾向にあります。これらのスキルは一時的に役立つかもしれませんが、長期的なキャリア形成には必ずしも有効ではありません。

さらに、プロジェクトに参加せずに待機を続けると、エンジニアとしての感覚や技術力が衰える可能性もあります。

一部のエンジニアは、「待機期間はITスキルを学び直す良い機会だ」と考えることもありますが、それは誤解です。実際のプロジェクトで働くことにより、新たなITスキルを学ぶと同時に、現場での経験も得られます。したがって、待機期間が長期化すると、その時間はほとんど無駄になります。

結果として、待機期間が長引くと、エンジニアとしてのスキルが十分に身につかないため、プロジェクトに参加できない、あるいは参加してもパフォーマンスを発揮できない可能性があります。

案件待機の期間が延び、決まりにくくなる悪循環

SES企業における案件獲得に問題が発生すると、その結果として案件待機期間が延び、新たな案件の獲得がさらに困難になるという負の連鎖が生じます。

案件の獲得が難しくなるほど、案件待機期間が長くなり、これが再び案件獲得の障害となるという悪循環に陥りやすい状況が生まれます。

具体的には、「SESでの案件獲得が困難になる」⇒「案件待機期間が長引く」⇒「実務経験が積めない」⇒「さらに案件獲得の困難化」という流れが形成されます。

これは、エンジニアを採用する側のクライアントから見れば、待機期間が長いエンジニアは潜在的なリスクと認識されがちです。

クライアント側からすれば、「このエンジニアが待機しているのは何か問題があるのではないか?」、「このエンジニアは仕事の能力に欠けるのではないか?」といった疑念を抱くため、待機期間が長引くエンジニアの案件獲得の障害となる可能性があります。

このような状況は、SESでの案件がなかなか獲得できないと、待機期間が長引くことで更なる案件獲得の困難さを生み出すという負のスパイラルを生み出し、結果的に1年、2年と待機期間が長引くリスクを抱えることになるので、十分に注意が必要です。

最悪の場合クビになってしまう

SESの案件が確定しないエンジニアの皆さまは、最も厳しい状況として雇用が終了する可能性もあることをご理解ください。

待機状態が半年や1年以上と長く続くと、会社側から雇用解除の動きが生じることがあります。これには、不適切な嫌がらせや圧力をかけて退職届を提出させるといった行為も含まれます。

また、待機状態であることを放置し、自己決断による退職を待つというケースもあります。場合によっては、上司から退職を促す言動が見られることもあります。さらに、案件が確定しないことを理由に給与を大幅に減額するという対応をとることもあります。

SES業界で案件が確定しないエンジニアは、会社側からすると負担となる可能性があります。その結果、雇用解除を促す動きが出ることがあります。

不適切な嫌がらせや強制的な行為に耐えられず、結果的に雇用が終了するエンジニアも少なくありません。このような状況に直面しているエンジニアの皆さまは、十分に注意してください。

待機状態のSESエンジニアの皆さま向けに、この時間を有効に活用するためのアクションについて詳しく説明しています。案件が確定しない状況から脱却したいエンジニアの皆さまは、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもなぜ待機期間が発生するのか

待機期間が生じるシチュエーションは何が考えられるでしょうか。

以下では、SESで待機期間がなぜ発生するのかについて詳しく説明します。

次の案件が決まっていない

次の常駐先がまだ確定していない場合、その確定するまでの間、待機期間となります。

常駐先が確定しない主な理由は、案件先の面接に合格できないこと、または最初から参加可能な案件が見つからないことなどが考えられます。

もし、案件は存在するのに、なかなか面接に通過できない状況にあるなら、面接の内容を再度詳細に見直してみることをお勧めします。

急な契約終了

通常の状況では、SESエンジニアが現在携わっている案件が終了するタイミングで、SES企業の営業担当者は次の案件の手配を始めます。しかし、予想外の契約終了などにより、次の案件への配置がタイミングよく行われない場合があります。

具体的には、以下のような状況が考えられます:

  • 突然、常駐先から契約の終了が通知される
  • エンジニアが必要とされるスキルを習得していないために契約が終了する
  • 出勤遅刻や欠勤等の勤務態度の問題で契約が終了する
  • プロジェクトそのものが終了する

これらの状況が発生し、次の案件が見つかる前にSES契約が終了した場合、新たな案件が決まるまでの間、待機期間が生じます。

研修後である

新卒者や未経験者が会社に入社した場合、研修が終結した直後に最初の常駐先が定まらないケースでは、待機期間が設けられることが一般的です。

新卒者や未経験者はしばしば、すでに先輩の社員が参加しているプロジェクトや、運用・監視などのタスクを担当するプロジェクトに配置されます。

しかしながら、実務経験を必要とするプロジェクトも多く、未経験者の場合、特定の技術スキルを持つ経験者に比べて、最初の常駐先が決まるまでの時間が長くなる傾向にあります。

所属会社の営業力不足

SES会社の営業力が不足していることは、待機期間が発生する理由の一つです。

営業力が少ないと取引先や案件の数が少ないため、結果として待機しなければならない人が発生します。

また会社の営業力が不足している場合、安価な案件やブラック企業の案件を中心に受注していることも多く、SESエンジニアが辛い思いをする原因にもなります。

待機期間中にとるべき行動

案件が決まらないとき、SESエンジニアがとるべき行動はいくつかあります。

スキルアップのための勉強

待機期間中に最も重要な活動は、自己のスキルを向上させるための学習です。

一部の企業では、待機期間に内部業務を割り当てることもありますが、多くの場合は自己学習の時間が設けられます。

この貴重な学習時間を最大限に活用しましょう。自身のキャリアの進行方向を考慮し、スキルアップにつながる有益な学習を心がけてください。

さらに、特定の資格を取得することを目標に設定し、そのための学習を積むのも良い方法です。

資格を取得すると、それを自分のスキルシートに記載できます。これにより、自分が希望するプロジェクトに参加する可能性が高まります。

面談の対策

待機期間中に、SES面談への対策を積極的に行いましょう。

待機が長引くエンジニアの中には、SES面談での合格が難しいと感じる方も少なくありません。

面談が突然スケジュールされることも考慮し、面談で頻繁に尋ねられる問いへの対策は必須です。

転職する

SES企業間では、案件の種類や量、給与水準に違いがあります。また、安定した勤務環境やキャリアアップを望むなら、SES以外のIT企業に目を向けるのも良いでしょう。

案件が見つからずに困っているSESエンジニアは、社内SEや自社開発などのSESが存在しないIT企業への転職も考えてみてください。

SESが関係ないエンジニア職に就けば、案件面談やSES面談に悩まされることもなく、案件が見つからないという問題も解消されます。

社内SEや自社開発エンジニアになれば、案件面談のストレスから解放され、安定した業務に専念できます。

SESでの案件待機に困っているエンジニアは、自社開発や社内SEに特化した転職サイトを利用してみてください。SES企業の求人が除外されているため、社内SEや自社開発エンジニアになるチャンスが高まります。

結論

SESエンジニアが案件が決まらないときには、経済的困難やスキルの劣化などの問題がありますが、対策はあります。新しいスキルを学ぶ、ネットワーキングを行う、そして自分の価値を高めることで、次の案件を得るチャンスを増やすことができます。これはSESエンジニアが自己成長を続け、キャリアを前進させるための重要なステップです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次