Webエンジニアは増えすぎてオワコン?ついていけないと言われる理由は?

近年、Webエンジニアの需要と供給が急速に増加する一方で、市場の見方や技術の移り変わりについていけないという問題が話題となっています。
一部で言われている「Webエンジニアは増えすぎ」という事実の確認や「オワコン」と言われているその背景を徹底的に考察していきます。

目次

Webエンジニアの仕事

では、まずエンジニアの仕事について解説していきましょう。

Webエンジニアはどこで活躍できる?

私たちの生活にとって必要不可欠となった「インターネット」
そんなインターネットに関わる仕事は山のようにありますが、Webエンジニアというと以下のような仕事があります。

Webエンジニアの仕事

  • Webサイト制作・開発
  • ITシステムやアプリの開発
  • WebサイトやWebシステムの保守
  • インターネットのインフラ整備や運用

私たちの生活に密着している仕事と言っても過言ではなく、今やSNSやアプリケーション、Webサイトがない生活は考えられないほどになっていると思います。

また、それらを利用するために一番大切なのが「インターネットのインフラ整備」。これが整っていなければ、サービスを受けるのは疎か、仕事にもならない人が大勢います。そのくらい、Web系はとても重要な役割を担っています。

Webエンジニアの需要と供給

結論から言うと、Webエンジニアは過剰な数にはなっていません。

Webエンジニアの数は増えていますが、Web業界にはまだまだ成長の余地はあります。
近年、デジタル化の波に乗り「Webエンジニアになりたい」という人は増えています
それに対し、Webエンジニアの需要としても、教育機関や人材教育の場ではオンライン教育の普及が急速に増加していますし、世の中ではさまざまな業種・業態でのDX化が進んでいるため、数多くの「IT技術が入り込む隙間」があります。

一見すると、この需要と供給のバランスは安定しているように感じるかもしれません。
しかし、全体を見ればWebエンジニアの人材はまだまだ不足していると言われています。

以下のように「経済産業省」でも、2030年までIT人材不足が深刻化し続け、最大80万人規模で人材不足に陥るとさえ記されています。

画像引用:『IT人材育成の状況等について』・経済産業省

Webエンジニア、人材不足の背景

では、なぜWebエンジニアが不足しているのでしょうか? まずはこちらの引用文をご覧ください。

経済産業省では、IT人材の需給モデルを構築し、既存の統計調査等のデータをもとにわが国IT人材数の推計を行った。その結果、若年層の人口減少に伴って、2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回り、IT人材は減少に向かうと予想されている。また、IT人材の平均年齢は2030年まで上昇の一途をたどり、高齢化が進展することも予想されている。

引用元:『IT人材育成の状況等について』・経済産業省

こちらの文では、「IT人材」についての需給について言及しており、「IT人材」がどんどん不足してきていることがわかりますが「Web系」と断言しているわけではありませんよね。そのため、「IT人材」の中にどれほど「Web系」が含まれるのかや、そもそも「IT人材」とはどういう人材のことを指すのかについて考えてみました。

まず、「IT」というのはそもそも「Information Technology(情報技術)」の略語です。
また、そのIT業界で技術者とされる「システムエンジニア」の種類には「Web系」、「汎用系」、「オープン系」、「制御系」というものがあります。これだけでもわかるように「Web系」以外に3種類の職種があることから、「IT=Web」ではないことは明確にわかっていただけたかと思います。

また、『会社四季報 業界地図』を見ていくと、業界ごとにページが分かれていて、その業界についての動向が読み解けるようになっているのですが、その中で気になる内容を発見しました。
それは、『会社四季報 業界地図2023年版』には「ITサービス」という業界名が明記されているにもかかわらず、『会社四季報 業界地図2024年版』には「ITサービス」という業界名の記載が一切消えているのです。

これはどういうことかというと、『会社四季報 業界地図2024年版』では「ITサービス」という業界区分だったものが「システム開発」と表記されており、そのほかにITに関わる業界区分で「AI」、「Web3」、「eコマース」、「Webアプリ」といういわゆる「Web系」の業界区分が増えているのです。

それほどまでに「Web系」が細かく表記されているということは、IT業界の中でも「Web系」の需要がかなり大きく膨らんでおり、私たちが想像するよりもはるかに短期間で市場規模が大きくなっているというのが理解できるかと思います。

そんな需要の中、人材については世の中ではどのような動きが起こっているのでしょうか?
以下の円グラフをご覧ください。

引用元:『Web制作に関わる人材について』・一般財団法人経済調査会

これは「Web制作」における人材についての調査で、Web系企業での体感を表したものです。
この調査の通り、Web系企業での体感としては「人材が不足している」という体感が66.6%を占め、人材派遣の需要も上伸していることが伺えます。

これらの根拠から、日本では「Web系」の需要がかなり上がっているため、人材が増えていようと「Web系」の需要を補えるほどの人手はおらず、常に不足している現状があることがわかります。
今後も「Web系」の需要はますます上がっていくことが予想されますし、「Webエンジニアが多すぎる」という結論には至らないことが理解できるかと思います。

エンジニアは「オワコン」なのか

Webエンジニアの数は、確かに増えています。
しかし、前述の通り需要が増え続けているために、その状況だけでは「オワコン」とは判断できません
ここでは、なぜ「オワコン」と言われているのか、どのように考えればいいのかについて触れていきます。

「オワコン」と言われる理由

「Web制作」の分野では、ノーコードツールの普及Web制作者の増加により、競争が激化し、労働環境が厳しくなる傾向があります。これが、「オワコン」という見方を生んでいます
しかし、これは一部の視点であって「Web制作」は依然として需要があり、「オワコン」とは一概には言えません

また、「Webエンジニアが多すぎる」との声が上がる背景には、プログラミングスクールの普及により学習が容易になったことが一因だと考えられます。近年、働き方の自由さやスキルアップを求め、プログラミングスクールで学びエンジニアになろうとする人が増えているようです。
これにより「基本的なスキルは持っているが、実務経験がない」という初心者エンジニアの数が増えてしまっています。その結果、スキルや経験が不足しているエンジニアが増え、「オワコン」や「Web系はついていけない」と言われる原因となっています。

Web系はついていけないと言われるエンジニアの原因

では、前述のように「オワコン」「Web系はついていけない」と言われる原因について詳しく見ていきましょう。
Xではこのような声が聞かれました。

このような声の背景として考えられるのは、以下の通りです。

「オワコン」や「Web系はついていけない」と言われる原因
  • スキル・経験が不足している
  • 疑問点を解消していない
  • 能力以上の仕事を任されている
  • 会社や上司と考え方が合わない
  • 仕事自体に向いていない

スキル・経験が不足している

前述の通り、基礎的な知識は持っているものの、実務経験が不足しているエンジニアは後を絶ちません
そのため、Web業界におけるスキルや経験の不足を感じている方は少なくないでしょう。他の人が順調に仕事を進めているのを見て焦ることもあるかもしれませんよね。しかし、大切なのは自分のペースを保つことです。

スキルや経験の不足を恥じる必要はありません。Web業界は常に新しいことに挑戦し、失敗も学びの一部です。
このような経験を前向きに捉え、自己成長の機会に変えていくことが何よりも大切でしょう。

他人と比較するのではなく、自分自身の成長を重視しましょう。
スキルや経験がない状態でWeb業界に足を踏み入れたところで、選ばれる人材には到底なれません。
だからこそ、自分がWeb業界で活動できるという自信を持つために、常に勉強する姿勢が必要となるでしょう。

疑問点を解消していない

エンジニアが分からないことを放置している場合、それが「ついていけない」という感情の原因になる可能性があります。問題が発生したとき、例えばエラーが出たときなどは、それを解決するために行動することが必要です。

Web業界では、「何となく試してみたらうまくいった」という状況が時々起こります。
しかし、それは本質を理解しているわけではないので、同じ結果を再現することはできません。
この「理解できない」状況を放置すると、後で困ることになる可能性があります。

その状況が続いてしまうと、スキル不足という問題が続く可能性があり、それが一連の「ついていけない」という感情につながってしまいます。そして、最終的には仕事についていけなくなる可能性が高まってしまうため、疑問点は早急に解決しておく必要があるでしょう。

能力以上の仕事を任されている

自分が手がけている仕事が自身のスキルや能力を超えていると感じるエンジニアも少なくありません。
これは、同僚や他のメンバーが行っている仕事に比べて、自分の仕事が困難に見えるためかもしれません。

しかし、全員が同じ速度で新しい知識やスキルを習得するわけではありません。もし、自分が対処できる以上の仕事が与えられると感じたら、それは実は評価され、信頼を置かれている証かもしれません。
この状況は、将来的に昇進やキャリアアップの機会を得られる可能性が高いことを示しています。
そして、高いレベルの仕事に挑戦することで、新たなスキルを習得し、自己成長を遂げることができるので、果敢に挑戦すれば道はどんどん拓けてくるでしょう

会社や上司と考え方が合わない

Web業界で働く中で人間関係の問題から苦しさを感じるエンジニアもいます。
自分の意見が受け入れられないとき、孤立や不快感を感じるかもしれません。

しかし、異なる意見を対立ではなく、新たな視点であると捉えることが大切です。
相手の視点を理解し、自分の伝え方やコミュニケーションの改善について考えることが重要です。

エンジニアの仕事は、技術職ではありますが、コミュニケーション能力がとても重要になってくる仕事でもあります。
職位があがったり、求められるスキルが上がってくるごとに、重要度が増してくるでしょう。
まずは目の前の同僚や上司との相互理解を深めようという意識を持つことで、相手の視点を受け入れ、自分の視点を理解してもらいやすくなるでしょう。

仕事または会社勤めが向いていない

エンジニアがついていけないと感じるのは、Web業界が自分に合っていないという可能性もあります。

Web業界は常に進化し続ける分野で、その流れに乗るためには絶えず学び続けることが重要です。
新しい技術やツールに対する興味や好奇心がないと、ついていくのが難しくなるかもしれません。
「好きなことが上手くなる」という言葉があるように、興味や熱意が大切です

また、Web系の職業に適性があっても、会社員という働き方が自分に合わない場合もあります。
Web業界や会社員という働き方が自分に合わないとしても、成功する道は必ずあります。
そして、自分の強みや才能を最大限に活かせる環境は、人それぞれ異なります。

自己を冷静に見つめ直し、自分に適した場所を見つけることも重要です。

まだまだ広がるWebエンジニアの可能性

このように、Webエンジニアの需要と供給はこれからも伸び続ける可能性が高くWeb系でどんどんスキルを付けていくことで自身の可能性を広げることができるでしょう。

また、「オワコン」や「ついていけない」と感じているWebエンジニアは、おそらく現在壁にぶち当たっていることかと思います。そんな時は「なぜWebエンジニアになろうと思ったのか」という初心を思い出してみてください
これから先の未来、Webエンジニアが活躍することは間違いありません。そこに自分の気持ちや興味が乗れば、自然と最新技術の習得コミュニケーション能力の向上を図るための努力を自らできるようになってくるかと思います。

Webエンジニアは、業界も、自身の可能性も、無限に広げることができる仕事です
どんどんスキルアップして、いい未来を見にいきましょう。

まとめ

「Webエンジニアは増えすぎ」という事実の確認や「オワコン」と言われているその背景を考察していきました。
WEBエンジニアの増加「オワコン」説、そして「ついていけない」問題。これらは全て、IT業界の急速な進化と、それに対応する人材の育成の難しさを示しています。

しかし、これらの問題は決して否定的なことばかりではなく、新しいチャンスや可能性も秘めています。
今後もWEBエンジニアの役割はこれまで以上に重要になるでしょう。市場の変化に対応し、自身のスキルを磨き続けることで、これからもWEBエンジニアは活躍の場を広げていくことが期待されます

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