ITエンジニアへの転職を考えている人々の中には、プログラミングスクールへの参加を検討している方も多いでしょう。しかし、「プログラミングスクールに通うのはカモ」や「プログラミングスクールは必要ない」という声も存在します。
本記事では、プログラミングスクールに通うメリット・デメリットや、「必要がない」と言われる理由について探り、ITエンジニアへの転職を叶えるためにできることを考察していきます。
プログラミングスクールに通うのはカモと言われる理由

プログラミングスクールに通い、結果的にカモにされたと感じて後悔する理由は多岐にわたります。
その原因は、スクール自体にある場合もありますが、そもそも受講生の意識に問題があることもあります。
これからプログラミングスクールを利用して、未経験からエンジニアへの転職を考えている方は、後悔することのないようにポイントを押さえておきましょう。
未経験から開発系エンジニアに転職するのは難易度が高い

ITエンジニアというと、開発業務をイメージする人が多いですが、開発エンジニアになるのは簡単なことではありません。個々の適性や経験、ポートフォリオなどが求められ、競争率も高いです。
プログラミングスクールで学んだとしても、学んだだけで希望通りの転職が叶うとは限りません。
希望とは違う仕事内容や会社に就職するなど、予想外の結果になることもあります。
「プログラミングスクールにカモにされた」という感想は、「スクールに通ったが、転職に失敗した」という経験を指していることが多いので、「プログラミングスクールに通っていたら開発エンジニアになれる」という思い込みを持たないことが大切です。
もちろん、希望通りに開発エンジニアになることも可能ですが、開発エンジニアを目指す場合は、かなりの努力としっかりした道筋が必要だと認識しておくほうがいいでしょう。
受け身の態度で受講してしまう人がいる

「プログラミングスクールに通うとカモにされる」と言われる理由の一つとして、「受講者の学ぶ姿勢」が原因であることがあります。もし「スクールに通えば自動的にエンジニアになれるだろう」と思っていれば、そうはならないことを念頭に置きましょう。
ITエンジニアは人手不足と言われていますが、学べば誰でもなれるものではありません。
また、IT業界に入ったとしても、給料を上げたり、キャリアを進めたりするためには、他のエンジニアよりも努力を積み重ねなければなりません。
そのためスクールに在籍している間から、進んで学ぶ習慣をつけることが大切です。
教材やカリキュラムの範囲を超えて学び、疑問点があれば教師に質問するなど、自分から学ぶ姿勢が大切です。
そうでなければ、うまくいかなくなる可能性が高いと言えるでしょう。
高額な受講料が必要

「プログラミングスクールにカモにされた」と感じる人は、受講料が高いことが関係している場合があります。受講料が高ければ、転職がうまくいかなかったときの失望も大きいですからね。
たとえば、1万円で失敗したときと100万円で失敗したときでは、感じ方が違います。
1万円ならば、自分にも一部責任があると思えますが、100万円失ったときは、「スクールにだまされた」と思うかもしれません。
だからといって、高額なスクールが悪いかというと、そうではありません。
受講料に合わせて、学べる内容や就職支援などのサポート内容が違いますし、自分のなりたい未来とスクールで学べる内容を天秤にかけてしっかり考え、選ぶことが大切です。
ITエンジニアへの転職を経た先にどうなりたいのかを考えたうえで、スクール選びを行いましょう。
スクールでは実務経験を積むことができない

ITエンジニアを募集している企業の多くは”即戦力”を求めています。
しかし、スクールで学べるのはエンジニアの基礎や応用であり、実務が行えるわけではありません。
そのため、いくらスクールで学習したとしても「実務経験はゼロ」となってしまうのです。
だからといって、「実務経験がない=転職できない」ではありません。
未経験で募集している企業もありますし、就職支援を行っているスクール経由で転職を行うことも可能です。
独学で転職できる人もいる

ネット上には、独学でプログラミングを学び、ITエンジニアとして転職した人々の話がちらほら見られるでしょう。その視点で見ると、スクールへの高額な投資は必要ない、スクールに通えばカモになる、と見えるかもしれません。
しかし、全ての人が独学でエンジニアになれるわけではなく、独学で転職できる人には、その人なりの大変な努力の積み重ねがあります。スクールに通ってしまえばすぐに教えてもらえるところを、独学だからこそ苦労して身に付けている技術もあるかもしれません。
スクールで学ぶことで基本的なスキルを身につけたり、学ぶ内容について迷う手間も省けたりでき、結果的に独学よりも早く学べることはたくさんあるでしょう。
これらを考えると、独学でももちろん転職は可能ですが、プログラミングスクールを利用することで、よりITエンジニアへの転職を早く実現することができると言えます。
プログラミングスクールに通うメリット・デメリット

では、プログラミングスクールに通うメリットとデメリットを整理していきましょう。
プログラミングスクールに通うメリット

プログラミングスクールに通うメリット
- 学習の「最短ルート」が手に入る
- 疑問をすぐに解消できる環境がある
- 転職支援やポートフォリオ制作サポートが受けられる
①学習の「最短ルート」が手に入る
学習の「最短ルート」が手に入るとは、無駄のない効率的な道筋を示してもらえることです。
未経験者が独学でプログラミングを学ぼうとすると、情報が多すぎて何から始めればよいのかわからず、迷ってしまったり遠回りになってしまったりと、時間がかかってしまう可能性があります。
プログラミングスクールでは「どの言語から始めるか」や「どんな順番で学ぶか」など、実務を見据えたカリキュラムにより早く・正しく学ぶことができます。
また、ただ知識を詰め込むだけでなく、「エラーの調べ方」や「実装の手順」、「レビューの受け方」といった実践スキルもしっかりと備えることができ、就職後の業務に近い形で力をつけることができるのが、スクールで学ぶ魅力だと言えます。
②疑問をすぐに解消できる環境がある
プログラミング学習で最も挫折しやすいポイントのひとつが、「自分で気付けない問題点は、自力で解決できない」という状況です。「エラーが出る」、「思った通りに動かない」、「何を検索すればいいのかよくわからない」といった疑問点は、独学ではなかなか解消できず、この細かな問題点が積み重なって、学習意欲がストップしてしまうこともよくあります。
その点、プログラミングスクールには現役エンジニアや経験豊富なメンターが常駐しているため、疑問に感じたことをその場で質問できる環境があります。「なぜプログラムをこう書いて動くのか」や「自分の考え方は正しいのか」など、検索では得られない“理解して落とし込む”ところまで導いてくれる対話的な学習が可能です。
そのため、初学者が見落としがちな「設計の考え方」や「コードの書き方の癖」なども、早い段階でフィードバックを得ることができ、誤った理解や習慣を身につけてしまうことを防ぐことができます。
ただ答えを教えてもらうのではなく、「自走できる力」を育てるサポートを受けられることが、スクールならではの学習体験と言えるでしょう。
③転職支援やポートフォリオ制作サポートが受けられる
エンジニア転職を成功させるためには、スキルだけでなく“自分をどう見せるか”も重要です。
プログラミングスクールでは、履歴書・職務内容添削、模擬面接、キャリアカウンセリングなど、未経験者向けの転職支援が数多く準備されています。
また、転職活動において重要な要素となる「ポートフォリオ」の制作サポートも受けられます。
独学でポートフォリオを制作しようとすると、「何を作ればいいのか」、「どう設計すればいいのか」、「どの技術を使うべきか」など、悩む点が非常に多く、完了までたどり着けずに挫折してしまう人もいます。
その点スクールでは、企画の段階から講師のフィードバックを受けたり、コードレビューの品質を高めたり、現場目線のアドバイスを得ることができたりと、企業の目に留まるポートフォリオを作ることが可能になります。
独学では手に入りにくい、実務に近い経験や採用担当に伝わる見せ方を身に着けられることこそ、スクールに通う大きな価値だと言えるでしょう。
プログラミングスクールに通うデメリット

プログラミングスクールに通うデメリット
- 費用が高額になりやすい
- 学習内容が限定的な場合がある
- 通ったからといって転職が保証されるわけではない
①費用が高額になりやすい
プログラミングスクールは、未経験からエンジニアを目指す人にとって心強い存在ではありますが、ネックになりやすいのが受講料金の高さです。
一般的な通学・オンライン型のプログラミングスクールでは、受講料の相場は20万円〜80万円程度と幅広く、40万円〜60万円台が中心価格帯となっています。
受講期間は2〜6ヶ月が多く、どうしても高額に感じてしまう人は多いでしょう。
その金額の内訳となるのは、主に講師・メンターによる個別指導やサポート体制に対してかかる人件費です。
さらに、サポートやポートフォリオ制作の支援、教材開発や学習管理システムなど、受講者に寄り添う仕組みが充実しているスクールほど、コストも上がります。
それに加えて、エンジニア転職をゴールとした“投資型の教育サービス”であることも、価格を押し上げている要因の一つです。 実際、年収アップを前提とした価格設計になっているスクールもあり、「将来への自己投資」としての認識か、「負担が大きい出費」と感じるかは、人それぞれです。
費用に見合った価値を得るには、自分の目的とスクールの支援内容をしっかりと見極めることが大切になります。
②学習内容が限定的な場合がある
プログラミングスクールの多くは、短期で成果を出すことを目的にしているため、学習できる内容がある程度絞られています。 たとえば、「Ruby on Railsを使ったWebアプリ開発」や「フロントエンドのReact特化」など、特定の言語やフレームワークに集中したカリキュラムが組まれていることが多いです。
これは効率的に学ぶという意味ではメリットですが、学習内容の幅や深さに限界があるという側面もあります。
その結果、転職活動では「学んだ技術と企業が求めるスキルが合わない」、「Javaを使っている企業に応募したいけど、まったく触れたことがない」といったスキルのマッチが起こることがあります。
また、設計や保守、テスト、自動化といった実務で必要になる周辺知識に触れられないまま卒業すると、入社後に「話がわからない」、「何から学べばいいのかわからない」と苦労することにもつながります。
また、ある程度パターン化された課題に取り組むだけでは、「自分で考えて設計する力」や「エラーを自力で解決する力」が身につきにくいというスクール特有の課題もあります。
学びの入り口としては有効ですが、スクールのカリキュラムだけで安心せず、卒業後も自ら学び続ける姿勢がとても大切です。
③通ったからといって転職が保証されるわけではない
プログラミングスクールに通っているからといって、すぐにエンジニア転職が実現するとは限りません。
多くのスクールでは学習サポートやキャリア支援に力を入れていますが、誰でも内定が決まるわけではなく、転職には自身での努力が必要不可欠です。
スクールができることは、限られた時間内で効率的にスキルを習得できるカリキュラムの提供や、ポートフォリオ制作、履歴書添削、模擬面接といった“支援”です。
当然と言えば当然ですが、本人の学ぶ姿勢や実際に行動を起こす時間、主体的な転職活動まで代行できるわけではありません。そのため、カリキュラムを達成するだけで復習や自習を怠ったり、ポートフォリオが完了しないまま卒業したりすると、手厚いサポートを受けていたとしても成果にはつながりません。
企業での面接では、「なぜエンジニアになりたいのか」といった問いに、自分の言葉で話せるかどうかが問われます。
スクールを過信せず、能動的に動ける人こそ、学びを最大限に活かしてチャンスを掴めるのです。
未経験転職には 独学か、スクールか

未経験からエンジニアを目指す際、多くの人が悩むのは「独学かスクールか、どちらを選ぶべきか」です。
スクールに通えば、体系的なカリキュラムと手厚いサポートにより、効率的にスキルを身につけやすくなります。
特に、疑問をすぐに解消できる環境や、ポートフォリオ制作・転職支援といった実践的なサポートは、独学では得にくい大きなメリットです。
一方、独学でも、情報収集力と継続力があれば、十分にスキルを身につけることは可能です。
しかし、エラー対応や設計の理解といった実務的な経験は得られにくく、孤独感や挫折のリスクもあります。
結論としては、自分の性格や目的、学習スタイルに合わせて選ぶのが最も大切な視点です。
「自分ひとりで続けられるか不安」、「最短で転職を目指したい」という方には、スクールの活用が強力な選択肢となるでしょう。
ITエンジニア転職を叶えるために

未経験からITエンジニアへ転職するには、技術力だけでなく、学びの姿勢や準備の質が鍵を握ります。
まずは、当然ではありますが、基礎的なスキルをしっかり身につけることです。
HTML/CSSやJavaScript、バックエンド言語、といったWeb開発の基本を身に付け、実際に手を動かしてコードを書く経験が何よりも必要です。
次に重要なのは、「なぜエンジニアになりたいのか」を自分の言葉で語れることです。
実際の業務を知らずに理想だけを語るのでは、採用側に不安を与えてしまいます。
どんな業界であっても、転職活動では自己分析と業界理解がセットで求められますからね。
また、継続して学ぶと、自走力(自ら調べて解決する力)も自ずと身に付きます。
エンジニアは日々進化する技術に対応し続ける職業であるため、今後も学び続けられるかどうかは非常に重要です。
スクールでも独学でも、「学ぶ→作る→伝える」を意識して、地に足をつけた準備を進めることが、未経験の転職を成功へと導く近道になるでしょう。
まとめ
プログラミングスクールに通うことで得られるメリットは確かにありますが、デメリットももちろん存在します。
ITエンジニアへの転職を考えている方は、自身のスキルや目指すキャリア、そしてプログラミングスクールの教育内容や運営方針をしっかりと見極め、最適な選択をしていくことが重要です。
これらを踏まえた上で、自身の学び方を見直し、最適な道筋を選んでください。
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