フリーランスのWebデザイナーは厳しいって本当?未経験でもなれる?

この数年こういった意見の背景にあるのは、副業ブーム・フリーランスブーム、そしてWebデザインスクールの急増です。

SNSや広告では

  • 未経験からWebデザイナー
  • 在宅で自由に働ける
  • 月収50万円・100万円も可能

といった、非常に魅力的な言葉が並びます。
しかし、その一方で現場の人間からは、「正直、フリーランスのWebデザイナーはかなり厳しい」「特に未経験・スクール卒は仕事が取れない」という、真逆とも言える声が上がっています。

この記事では、こうしたギャップについて解説していきます。

目次

フリーランスWebデザイナーは本当に厳しいのか?

フリーランスのWebデザイナーは、本当に厳しいのでしょうか。それとも、厳しいと言われるのは一部のケースだけなのでしょうか。
ここでは、フリーランスWebデザイナーを取り巻く環境を整理し、「厳しい」と言われる背景を具体的に見ていきます。

厳しいと言われる構造的な理由

結論から言えば、フリーランスのWebデザイナーは、確実に以前より厳しくなっています。
これは個人の努力不足ではなく、市場構造の問題です。

まず押さえておくべきなのは、 Webデザイナーという職種は「参入障壁が低い」という点です。

  • パソコン1台で始められる
  • 国家資格が不要
  • スクールで短期間で学べる

その結果、Webデザイナーを名乗る人が爆発的に増え、特に「フリーランス志向」の人が急増しました。

一方で、企業側の状況を見ると

  • Web制作予算は年々シビア
  • できるだけ内製化したい
  • 外注するなら成果が欲しい

という流れが強くなっています。
つまり、作り手は増えているのに、お金を払う側は慎重になっている。

このアンバランスが、「フリーランスのWebデザイナー フリーランス 厳しい」と言われる最大の理由です。

フリーランスWebデザイナー市場のリアルな現状

実際の案件獲得の現場では、次のようなことが普通に起きています。

  • クラウドソーシングで1案件に50〜100人応募
  • 単価1〜3万円のLP案件に経験者が殺到
  • 実績が少ないと提案文すら読まれない

特に多いのが、 「ポートフォリオは悪くないのに、全然仕事が取れない」という声です。これはなぜか。
答えは単純で、 同じレベルのデザイナーが多すぎるからです。

「デザインができる」だけでは選ばれない時代

数年前までであれば、Webサイトを作れる、デザインツールが使えるというだけでも、一定の需要がありました。

しかし現在は

  • 高品質なテンプレート
  • FigmaやCanvaの進化
  • ノーコードツール(STUDIO、Webflowなど)の普及

により、「それなりのサイト」は誰でも作れる時代になっています。

企業側は、「ただ見た目がきれいなサイトを作れる人」よりも「なぜそのサイトを作るのかを説明できる人」を求めるようになっているのです。

未経験からフリーランスのWebデザイナーになるのは厳しいと言われる理由

未経験からフリーランスのWebデザイナーを目指す人は多いものの、実際には思うようにいかず、壁にぶつかるケースが少なくありません。
ここでは、未経験者は特に厳しいと言われる背景を、市場や発注側の視点から整理します。

未経験者が最初にぶつかる「仕事がない」問題

未経験でフリーランスのWebデザイナーになった人がほぼ確実に直面するのが、「案件に応募してもまったく通らない」という現実です。

理由はシンプルで、ほとんどが下記の3つに集約されます。

  • 実務経験がない
  • 数字で語れる実績がない
  • トラブル対応の経験がない

企業やクライアントの立場で考えてみてほしいのですが、同じ条件で下記の2人が応募してきたら、どちらを選ぶでしょうか。

  • 実務経験3年のデザイナー
  • 勉強はしているが、実務未経験のデザイナー

企業側からすると、後者を選ぶ理由がないことが明確なはずです。

Webデザインスクール卒=即戦力ではない

でもスクールを出たら、仕事が取れるようになるんじゃないの?

これは、残念ながらかなり危険な認識です。

企業側の本音を言うと、スクール卒はあくまで「基礎知識がある」というだけであり、実務とは別です。
特に近年はスクール卒業生が爆発的に増えたこともあり、ポートフォリオも似通っていて、「スクールを出た」という事実自体はほとんど差別化にならないのが現実です。

微経験者が陥りやすい「抜け出せない沼」

意外かもしれませんが、 一番苦しみやすいのは未経験者よりも「微経験者」です。
理由は下記の3つです。

  • 数件は案件をこなした
  • でも強みが言語化できない
  • 単価を上げる理由が説明できない

この状態だと、低単価案件から抜け出すことができず、中途半端な立ち位置に固定されがちです。

Webデザイナーは本当に飽和しているのか?

Webデザイナー業界は飽和していると言われがちですが、その言葉だけでは実態は見えてきません。
ここでは、飽和と言われる理由と、そうでない領域の違いを整理します。

「Webデザイナーが飽和している」と言われる理由を分解

「Webデザイナーは飽和している」という言葉をよく見かけますが、これは半分正解で、半分は誤解です。
正確に言うと、飽和しているのは“特定の層”だけだからです。

この層は完全に供給過多です。

  • 未経験
  • スクール卒
  • バナー制作・簡単なLP制作を数件だけこなした微経験者
  • 指示されたものをそのまま作るだけのデザイナー

一方で、こうしたデザイナーは、今でも足りていません

  • 事業理解がある
  • 数字(CV・売上)を意識できる
  • 改善提案ができる

なぜ未経験〜微経験が一気に増えたのか

Webデザイナーが一気に増えた最大の理由は、「なりやすそう」に見えるからです。

  • プログラミングより簡単そう
  • デザインは感覚的でできそう
  • 在宅・副業と相性が良さそう

実際、スクールの広告でも、「プログラミングは難しいけど、 Webデザインなら未経験でも大丈夫」という文脈が多く使われています。

その結果、同じようなスキルセットやポートフォリオを持つ人が大量に生まれました

フリーランスになるほど「差」が露骨に出る

会社員であれば、このような環境があります。

  • チームの一員として守られる
  • 上司や先輩のフォローがある
  • 仕事が自動的に降ってくる

しかし、 フリーランスのWebデザイナーになると話は別です。

  • 実力=評価
  • 実績=信頼
  • 提案力=単価

これらがダイレクトに結果に反映されるからです。

生成AIの台頭でWebデザイナーはどう変わったか

生成AIの進化により、Web制作の進め方や求められる役割は大きく変わりつつあります。
ここでは、生成AIがWebデザイナーの仕事にどのような影響を与えているのかを整理し、今後求められる視点を考えていきます。

生成AIがWeb制作にもたらした変化

ここ数年で、Web制作の現場は大きく変わりました。その最大の要因が、生成AIの進化です。

  • デザイン案の自動生成
  • ワイヤーフレームの叩き台作成
  • キャッチコピーや文章の下書き

これまで人が時間をかけていたこれらの作業が、 AIで一瞬で出てくるようになりました

生成AIが奪ったWebデザイナーの仕事

生成AIの影響を強く受けたのは、次のような仕事です。

  • 指示通りにデザインを作る
  • 思考を必要としない量産作業
  • 修正前提のたたき台制作

これらはAIやノーコード・ローコードツールに置き換える企業が何年も前から増えてきています

「作業者型デザイナー」が厳しくなる理由

ここで重要なのが、 AIがWebデザイナーの仕事を奪ったのではなく「作業者ポジション」が弱くなったという点です。

クライアントから見ると、できるだけ安く、社内で済ませたいのが本音です。
AIやノーコード・ローコードツールを使って社内で完結させれば、納品にかかるやりとりや事務作業も発生しないのも大きなメリットです。

「言われたものを作るだけ」のWebデザイナーは、人間ではなくAIや便利なツールと価格競争していかないといけなくなったのです。

それでもWebデザイナーが不要にならない理由

では、Webデザイナーという職種自体が不要になるのか。答えはNOです。
次の領域は依然として人間の仕事だからです。

  • 課題の整理
  • 目的の言語化
  • ユーザー視点での設計
  • クライアントとの意思疎通

これらは「思考と経験」が必要な領域のため、すぐにはAIやツールに置き換えられにくいです。

それでも需要があるフリーランスのWebデザイナーとは

フリーランスのWebデザイナーを取り巻く環境は厳しくなっていますが、Webデザイナーという仕事はすぐにはなくなりません。
今後も求められるWebデザイナーの共通点を整理します。

「売れるサイト」を作れるデザイナーは生き残る

今後も確実に需要があるのは、 「売れるサイト」を作れるWebデザイナーです。

「売れるサイト」とは

  • 問い合わせが増えた
  • 購入率(CVR)が上がった
  • 売上に貢献した

といった、数字で語れる成果を出せるサイトのことです。

デザインを「感覚」で終わらせない人

成果を出せるWebデザイナーは、必ず理由を説明できます。

  • なぜこの導線なのか
  • なぜこの配置なのか
  • なぜこの色・コピーなのか

「なんとなくおしゃれ」「こういうデザインが流行っているから」ではなく、意図が言語化できるようにしておかないと、成果を出すことは難しくなります。

デザイン+αの武器を持っている

生き残っているフリーランスWebデザイナーには、次のような共通点があります。

  • マーケティングの基礎理解
  • SEOの考え方が分かる
  • 広告・LP改善の経験がある
  • 目的達成のための提案ができる

デザイン単体で完結していないのです。

未経験からフリーランスWebデザイナーを目指すのは現実的か?

未経験からフリーランスのWebデザイナーを目指すこと自体は不可能ではありませんが、誰にとっても現実的な選択とは限りません。
未経験者が直面しやすいリスクや、現実的なルートについて整理していきます。

未経験からいきなり独立するのはリスク

未経験から、スクールを出てすぐフリーランスとしてWebデザイナーになろうとする人は少なくありませんが、結論から言うとこのルートはかなりリスクが高いです。以下の3つの明確な理由があります。

  • 案件が獲得できず実務経験が積めない
  • 案件が獲得できても低単価案件しかない
  • 企業は必要なくなれば契約終了するので、客観的なフィードバックがない

案件が獲得できないだけならまだ良い方で、未経験のうちは「なぜこのデザインではダメなのか、どこを直せば良くなるのか」を自力で判断するのはほぼ不可能なため、スキルも積みあがらないという悪循環に陥ります。

実務経験がない状態でフリーランスになる怖さ

フリーランスになると、基本的にこれらのすべてが自己責任です。

  • クライアント対応
  • スケジュール管理
  • トラブル対応
  • クオリティ管理

会社員であれば、会社が守ってくれたり、チームでリカバリーする体制が整っていたりしますが、未経験のままフリーランスになると、このセーフティネットが一切ない状態で戦うことになります。

制作会社・事業会社での経験が持つ価値

遠回りに見えて、実は一番の近道なのが、Web制作会社やWebサービスを持つ事業会社での実務経験です。

  • クライアントが何を求めているか
  • どういうデザインが売れるのか
  • なぜユーザーが行動したのか

といった、「売れるサイト」に必要な知識を、実務を通して身につけることができるからです。

また、企業がフリーランスを選ぶ際に、制作会社・事業会社で一定期間勤めた経験が求められるケースも少なくありません

フリーランスのWebデザイナーとして生き残るための視点

フリーランスのWebデザイナーとして安定して活動するには、単に作れるだけでは不十分ということはお分かりいただけたかと思います。
ここでは、継続的に選ばれるフリーランスになるために必要な視点を見ていきます。

「デザインが好き」だけでは続かない

Webデザイナーを目指す理由として多いのが、このような動機です。

  • デザインが好き
  • クリエイティブな仕事がしたい

「好き」という気持ちが原動力になるのは悪いことではなく、時には必要ですが、それだけではフリーランスとして続けていくには不十分なのも事実です。

フリーランスは、デザインだけやっていればいいわけではなく、作ることだけに集中できる働き方ではないからです。

フリーランスは「経営者」に近い立場

フリーランスWebデザイナーは、実質的に一人会社の経営者です。

  • 営業
  • 見積もり
  • 契約
  • 納品
  • アフターフォロー

これらすべてを自分で行う必要があります。

そのため、クライアントに価値を出せるかという視点が欠かせません。

単価が上がる人・上がらない人の違い

単価が上がらないWebデザイナーには、共通した特徴があります。

  • 作業内容しか話せない
  • 成果について語れない
  • 改善提案ができない

一方、単価が上がるWebデザイナーは、以下を言葉で説明できます。

  • なぜこのデザインなのか
  • どんな効果が期待できるのか
  • どこを改善すべきか

それでもフリーランスWebデザイナーを目指すなら

厳しいと言われる状況でも、フリーランスWebデザイナーを目指す選択肢は残されています。
後悔しないために知っておきたい視点をまとめます。

目指すべきは「作れる人」ではなく「伸ばせる人」

これから目指すなら、単に「作れるWebデザイナー」ではなく、「成果を伸ばせるWebデザイナー」を目指す必要があります。

  • コンバージョンを意識できる
  • ユーザー行動を考えられる
  • 数値を見て改善できる

この視点を持つだけで、市場での見られ方は大きく変わります。

最初からフリーランスにこだわらない

「自由に働きたいからフリーランス」 という考え方自体は悪くありませんが、最初は会社員として実務経験を積み、その後にフリーランスになるというステップを踏んだほうが、結果的に報酬も自由度も高くなりやすいです。

Webデザイナー以外の選択肢も視野に入れる

正直に言うと、 Webデザイナーだけにこだわる必要はありません。

  • UI/UXデザイナー
  • Webディレクター
  • マーケター寄りの職種

など、Webデザインを軸にした別のキャリアも十分に考えられます。
WebデザイナーからWebディレクターになるのはキャリアとしても王道なので、おすすめの選択肢です。

まとめ

  • Webデザイナー フリーランスは供給過多で、今後さらに厳しくなる
  • 特にスクール卒の未経験・微経験は飽和しており、卒業しただけでは市場価値は上がりにくい
  • 生成AI時代は「言われたものを作るだけ」だと淘汰されやすく、成果(CVR改善・売上貢献)に寄与できる人が選ばれる

未経験から目指すなら「いきなり独立」よりも、実務経験・改善実績・提案力を積み上げていく方が現実的です。
ゴールを「デザインができる」ではなく「売れるサイトを作れる」に置くと、フリーランスとしての生存確率は上がります。

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この記事を書いた人

セルワークITフリーランス編集部のアバター セルワークITフリーランス編集部 セルワークITフリーランス編集部(運営:株式会社セルバ)

セルワークITフリーランス編集部は、ITエンジニア・ITフリーランス・SES人材のキャリア支援を行う「株式会社セルバ」が運営する編集チームです。

株式会社セルバは、Webシステム開発・ポータルサイト構築を中心に20年以上の実績を持ち、IT業界・人材業界の両分野において、事業運営と現場支援の両面から関わってきました。
自社サービスとして、IT人材向けの求人・マッチング・キャリア支援に関する複数のWebサービスを運営しています。

編集部では、そうした事業運営の中で蓄積されてきたITフリーランスからの相談内容、案件参画時の実例、契約・単価・キャリアに関する課題をもとに、実務に即した情報を編集・監修しています。

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