SESエンジニアの途中退場で最も多い理由はスキル不足である

SESエンジニアは、常駐先企業またはSES企業の判断により、契約の途中でも現場から退場させられることがあると言います。その最も多い理由が「スキル不足」だという声を見かけるのですが、本当にそうなのでしょうか?

本記事では、SESエンジニアの途中退場が起こる理由と、採用時にスキルのアンマッチが生じる背景を考察していきます。

目次

SESエンジニアの途中退場とは

SESエンジニアが途中退場するということはどういうことなのでしょうか?
一つひとつ紐解いていきますね。

SESエンジニアとは

SESエンジニアとは、企業に技術力を提供するために外部から派遣されるエンジニアのことです。
SESは「システムエンジニアリングサービス」の略で、会社に所属しながら別の企業のプロジェクトに参加して働きます。
仕事内容は、システム開発や保守、テストなどさまざま。
常駐先で働くため、自社でじっくり育成されるというより、現場に出て経験を積んでいくスタイルで働きます。

途中退場とは

SESエンジニアの退場とは、SESエンジニアが常駐先から退職すること、または契約期間の途中で退場することを指します。
これは通常、プロジェクトの進行中にエンジニアが必要なスキルを持っていないこと、またはその他の理由(健康問題、個人的な事情など)によって引き起こされます。
SESエンジニアは派遣先で即戦力として求められることが多く、「思ったよりできない」となると契約を打ち切られてしまうことがあるのです。

途中退場させられる最も多い理由はスキル不足

SESエンジニアがプロジェクトから早期に撤退させられる最も一般的な理由は、エンジニア本人が所持しているスキルがプロジェクトの要求を満たせないというケースです。
SESエンジニアは、クライアントとの契約上、クライアントが求めるスキルや能力を持っていることが前提で仕事を受けることができます。
しかし、これらの要求に達しない場合、クライアントは他のエンジニアに交代を求めることになるのです。
この場合、スキルの不一致によりクライアントがSES企業に対して申し立てを行うことで、エンジニアの撤退となります。

また、求められるスキルとエンジニアのスキル間のギャップは、早い段階で明らかになることが多いとされています。その結果、プロジェクト開始から1ヶ月程度でエンジニアの交代が必要となる場合があるようです。

SES企業から途中で解雇されることはない

SESエンジニアとして働いている際、もし関わっているプロジェクトから途中退場となっても、自分が所属するSES企業から仕事を止められることは基本的にはありません。
しかし、スキル不足があまりに酷く、どのプロジェクトにも適応できないとなった場合、待機状態になることがあります。そして、待機期間が長引くと、給与を減らされる可能性や、仕事を失う可能性もあります。

そのため、途中での解雇がないからと言って、安心できる状況ではないのがわかりますね。

SESエンジニアが途中退場する本当の理由

もちろんこのように、SESエンジニアがスキル不足により問題を引き起こすケースは多々あります。
しかし、それがすべてではありません途中退場が起こってしまう原因について深掘りしていきましょう。

スキルと案件要件のミスマッチ

SESエンジニアの途中退場で最も多い理由の一つが、「スキルと要件のミスマッチ」です。
例えば、Javaの実務経験が「3年」と書かれていても、内容がドキュメント修正やテストのみだった場合、「設計から開発まで一括してできる人材」を求める現場では期待できないと見られることもあります。

また、多重下請け構造により内部エンジニアの詳細なスキルが正確に伝わらないまま、サインが進んでしまうケースも少なくありません。 その結果「できると思っていたのに、想像以上にスキルが合わなかった」という状況が発生し、エンジニア自身も苦しむことになります。

このようなミスマッチを防ぐには、エンジニアが自分のスキルを過大評価せず、具体的な経験内容を正直に伝えることが大切です。 また、営業担当や企業側も、「経験年数」ではなく「実際に何ができるのか」をしっかり見極める意識が必要となります。

現場が「即戦力」を求めている

SESエンジニアが途中退場になる背景には、「現場には即戦力しか求められていない」という現状があります。
SESの現場では、エンジニアを一から教育する余裕はほとんどなく、“来たその日から戦力になる人材”が前提でサインされることが多いです。

特に、未経験者や経験が浅い方にとっては、教育のない現場は大きなミスマッチが起こりやすい場所と言えます。
期待に応えられず、エンジニア本人が自信を無くして退場…という悪循環になってしまうことも少なくありません。

この問題の解決には、事前に現場の期待値(要求スキル・担当範囲)を明確に共有することが重要です。営業や企業側は、エンジニアの経験だけでなく、「現場でどのような役割を担うのか」を事前に確認・すり合わせすることが重要です。

また、エンジニア側が「自分が即戦力として働ける範囲」と「必要に応じてサポートが必要な部分」を正直に伝えることで、無理なアサインを守ることができるようになってきます。
できること・できないことを正しく伝える勇気を持ちましょう

SES構造上、「マッチング」が甘くなりやすい

SES業界では、多重下請け構造が一般的です。
エンジニアを募集する元請企業と、複数の会社が仲介に入ることで、実際に現場に入るエンジニアの情報が伝言ゲームのように伝えられていきます。

このように正確に情報が伝わらない状況になると、「思っていたレベルと違う」と現場から指摘され、エンジニアが途中退場になるケースにも発展します。
そのため、現場に正確な情報を伝える仕組みが必要となります。

またエンジニア自身も、自分の言葉でスキルや希望を説明できるようにすることが必要です。
お互いに納得した形でのマッチングこそが​​、安定して現場で働き続けるためのカギとなります。

途中退場となった時、どうする?

プロジェクトで途中退場となってしまった場合、自分自身を責めたり、時にはSES企業を責めたい気持ちになってしまうでしょう。
そんなときはどう考えればいいのか、具体的な対処法を詳しく見ていきましょう。

自分のスキルを向上する努力を行う

スキル不足が問題と感じている場合、自己学習が一番の解決策となります。
自身のスキルを磨くことで問題を克服できるかもしれません。

スキル不足と言っても、どのようなスキルが不足していたのか今一度整理してみましょう
エンジニアの技術的な面であれば、新たな技術を学んだり、勉強をし直すことも必要かもしれません。
また、伝達不足なのであれば、コミュニケーションスキルを身に付けられるように話す訓練をしたり、文章で伝えられるように努力してみてもいいかもしれません。

現代では、オンラインコースや資格取得の勉強など、様々な学習方法が利用可能です。
自分に合ったストレスフリーな学習方法を見つけ、長期的に学び続ける努力をしましょう。

現場のエンジニアと良好なコミュニケーションを確立する

プロジェクト先の他のエンジニアと良好な関係を築けるようにするのも、今後退場とならないようにする対策として必要なことです。
良好な人間関係があれば、疑問をすぐに解消でき、困難な課題に取り組むことにも役立ちます。
これにより、技術的な不足を自分だけで終わらせず、周りと協力することもできるようになってくるので、辛さを感じることも減るでしょう。

さらに、プロジェクト先のエンジニアと良好な関係を築くことで、よりスキルアップしたい際、希望する企業への転職のきっかけとなる可能性もあります。
エンジニアとしての将来のキャリアを考慮に入れると、プロジェクト先のエンジニアと積極的に交流しておくことも必要ですね。

転職

今所属しているSES企業が合わないと感じた場合は、転職を行うことも視野に入れてもいいでしょう
同じ環境にずっといることでモチベーションが下がってしまっては、限界がきて転職したくなった時に良い転職先に巡り合えないことも起こり得ます。

しかし、注意しておきたいのは、”転職しただけで理想の働き方が叶うのかどうか”です
転職活動は大変ではありますが、転職する理由が”逃げ”でなくしっかりと目的を持った理由であれば、転職活動に悩むことも減りますし、相性のいい企業と出会うチャンスも増えます。
転職に頼りすぎてしまうことは避け、今いる環境では理想の働き方が実現できないのかをしっかりと考えましょう。
そうすることで、どの道を選んでも後悔することがなくなるでしょう

まとめ

結論としては、SESエンジニアの途中退場の理由はスキルのマッチング不足ですが、自分のスキルを明確に提示できるかどうかと、学び続ける姿勢があるかどうかで、途中退場になってしまうかどうかが変わるということがわかりました。
エンジニア自身が「どういう働き方をしたいのか」を明確に持ったうえでプロジェクトに取り組んだり、技術力を磨いたりすることで、より良い環境を手に入れられる可能性が上がるのではないでしょうか。

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